3. オーディオ入出力の種類
iOS機器のオーディオ入出力がiPhone、iPod touch、iPadによって違いがあることを説明した。
また、世代によってもマイクが無かったり、カメラが無かった機種もあった。
では現在、iOS機器にはどのようなオーディオ入出力があるのだろうか。
iOSが扱える入出力機器の種類についてはドキュメントに厳密なリストがある。
入力には以下の6種類。
出力には以下の11種類。
これらが、ドキュメントに定義されている。
まず、入力について説明しよう。
次に、出力についてもひとつひとつ説明しよう。
また、世代によってもマイクが無かったり、カメラが無かった機種もあった。
では現在、iOS機器にはどのようなオーディオ入出力があるのだろうか。
iOSが扱える入出力機器の種類についてはドキュメントに厳密なリストがある。
入力には以下の6種類。
- Line-In
- Built-In Mic
- Headset Mic
- Bluetooth HFP Profile
- USB Audio In
- Car Audio In(iOS 7以降)
出力には以下の11種類。
- Line-Out
- Headphone
- Bluetooth A2DP Profile
- Built-In Receiver
- Built-In Speaker
- HDMI
- AirPlay
- Bluetooth LE(iOS 7以降)
- Bluetooth HFP Profile
- USB Audio Out
- Car Audio Out(iOS 7以降)
これらが、ドキュメントに定義されている。
まず、入力について説明しよう。
- Line-Inアナログのライン入力である。
ドックコネクタにアナログのライン入力があるという情報はあるが、アナログ入力に対応したケーブルが販売されているのを見つけられなかった。
自作してテストをすることもできるが、一般に流通していないものがなければ使えない入力は、そもそも「使える」と言っていいものかどうか。
実際自分のてもとにそのケーブルが無いため確認していない。また、Ligntning-30ピン変換アダプターがこのアナログライン入力をサポートしているのかも 確かめることができないので、ここでは確認していないことをご容赦いただきたい。
- Built-In Mic本体に内蔵されているマイクである。
iOS機器の種類によっては複数のマイクが搭載されているが、そのうちのどれか一つもしくは連携して1つのマイクとして機能する。
iPhone4の場合、ドックコネクタの右側のメッシュがスピーカーになっているが、左側のメッシュの部分が通話用のマイクである。
これとは別にヘッドホンジャックのとなりに小さな穴があいているが、これはビデオ撮影時に使用されるマイクである。
iPhone5の場合3つのマイクが搭載されている。iPhone4と同様に本体底部左側と背面カメラとフラッシュの間、 それに加えてフロントのレシーバーの部分に3つ目のマイクが内蔵されている。
これら3つのマイクを組み合わせて、ノイズキャンセリングやビームフォーミングと呼ばれる特定の方向からの音にフォーカスする機能を実現するために 使用されているということだ。
前述したが、iPod touch 3genおよびそれ以前のモデルにはマイクは内蔵されていない。
iPadには初代からマイクが1つ搭載されており、初代では本体上部のヘッドホンジャックのとなりに、 また、iPad2以降とiPad miniには本体上部中央に搭載されている。
さらにiPad AirおよびiPad mini Retinaには本体背面の上部に近いところに2つ目のマイクが搭載されデュアルマイクになっている。
Appleの説明を要約すると、 「これらのマイクが連係して周囲の雑音を減らし、ビデオ通話、ビデオ撮影、Siriの認識が向上する」 ということらしい。
本体内蔵のマイクはどのような組み合わせでもモノラルである。
- Headset Micマイク付きヘッドホンのマイクである。
ヘッドホンジャックにはヘッドホン用のL/Rの出力とGND、それともう一つマイク/リモコンの端子がある。
マイク付きヘッドホンではなくても楽器用にこのマイク入力を利用できるようにしたアダプターなども販売されている。 (IK MultimediaのiRigやiRig PRE、TASCAM iXZなど)
この端子からのオーディオ入力はモノラルである。
- Bluetooth HFP ProfileBluetoothヘッドセットのマイクである。
HFPはハンズフリープロファイル(Hands Free Profile)の意味で、ここではスピーカーホンのことではなく 無線のヘッドセットのことを意味する。
この入力もモノラルである。
- USB Audio InドックコネクタやLightningコネクタ経由で接続されるUSB Audioインターフェースからの入力である。
TASCAMのドックコネクタに直接接続するステレオマイクiM2やiM2Xなどのように見た目でUSB接続とは判りにくいものもある。
この入力はステレオに対応している。
- Car Audio IniOS 7から導入されたCar Audioインターフェースに準拠した機器からの入力だが、あいにくその対応機器を所有していないためテストが できないことをあしからずあらかじめお断りしておく。
次に、出力についてもひとつひとつ説明しよう。
- Line-Outアナログのライン出力である。
この出力はドックコネクタにあり、ここからオーディオ信号を取り出すためのケーブルも販売されている。
ヘッドホンジャックからの出力と違い、このライン出力にはボリュームが挟まれていないためより高音質だとされている。
実際の音質を客観的に比較する環境がないので真偽は不明である。
- Headphoneヘッドホンジャックからの出力である。
通常はヘッドホンを繋ぐが、手軽なアナログ出力としてミニプラグ-RCAピンプラグのような変換ケーブルを介して 据え置きのオーディオに繋ぐ用途にも使うことができる。
- Bluetooth A2DP ProfileBluetooth経由のオーディオ再生出力である。
A2DPとはAdvanced Audio Distribution Profile(アドバンスド・オーディオ配信プロファイル)の略である。
HFPと違い、出力のみであるが、その分すべてのデータ帯域を出力に使用するためHFPと比べて高音質である。
最近では、BluetoothヘッドホンのほかにBluetoothスピーカーも種類が増えて選択肢が多くなったようである。
- Built-In ReceiveriPhoneのみに搭載されている画面上部の耳を当てて電話の音声を聞く部分である。
昔の電話機風に言えば「受話」の部分である。英語ではレシーバー(Receiver)と呼ぶ。
繰り返しになるが、電話機という定義がされていないiPod touchおよびiPadにはこのレシーバーは搭載されていない。
- Built-In Speaker本体に内蔵されたスピーカーである。
画面の全体が見える程度に顔を離して(50cmぐらいだろうか)も十分な音量で音が聞き取れる点がレシーバーとは異なる。
- HDMIドックコネクタ、あるいはLightningコネクタからHDMI出力を取り出すアダプターを取り付けた時の音声出力経路である。
HDMIにはビデオ出力と共に音声も出力されている。
- AirPlayApple独自のWiFiを使用したオーディオ伝送方式である。
AppleのAirMac ExtremeやAirMac Express、Apple TVなどに音声をWiFi経由で送れるほか、 他メーカーでAirPlayに対応したアンプなどにオーディ信号を送ることができる。
- Bluetooth LEiOS 7からサポートされたとあるが、現在筆者の手元にはiOS 7にしたデバイスはiPhone 4しか無く、これはBluetooth LEをハードウェアがサポートしていない。
他のBluetooth 4.0をサポートしたデバイスはまだiOS 6のままで止めているので、残念ながら確認できなこと、ご容赦いただきたい。
- Bluetooth HFP ProfileBluetoothヘッドセットのヘッドホンである。
前述したようにHFPはハンズフリープロファイル(Hands Free Profile)の意味で、通話時に使用する音声出力経路である。
- USB Audio OutドックコネクタやLightningコネクタ経由で接続されるUSB Audioインターフェースへの出力である。
最近ではLine Outの替わりにこのUSB Audio Outを受け取るDAC内蔵のポータブルヘッドホンアンプ(通称ポタアン)も 多く出回っているようである。
残念ながらUSB Audio Outを受け取って再生できる環境が無いため直接的なテストはできていないが、
TASCAMのドックコネクタに直接接続するステレオマイクiM2やiM2Xは入力だけでなく出力ポートとしても認識されてしまうので それを利用して、USB Audio Outがルートに選択されたかを仮の判断に利用した。
- Car Audio OutCar Audio Inと同様、iOS 7から導入されたCar Audioインターフェースに準拠した機器への出力だが、 やはりあいにくその対応機器を所有していないためテストができないことをお断りしておく。